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せかいとことば

世界は言葉によってつくられているし世界は絶えず言葉を生み出しているし。雑多な文章をつらつらと。

どうということもない

 はあ。はああ。はああ。黄色いおしっこが出た。朝、出勤するとすぐにトイレに駆け込み便器のなかをのぞけば濃く鈍い黄色の液体が惜しみなくあふれている。
 身体はいつだって正直だ。昨日は寝床につく前にマルチビタミンサプリメントを3錠も飲んだ。一日1錠というのが規定量ではあったが、疲れていることもあってそれだけ飲んでみた。元気になる気がして。それが。すべてそのまま溢れ出してしまった。身体は正直なのだ、そんなに急にたくさんのビタミンを摂取することなんてできない。そもそもビタミンというものは野菜やなんやらと一緒にコツコツと身体に取り入れていくものだろう、それを大事なビタミンだけを取り出して一瞬で飲み込み、吸収してやろうだなんていうのはなんとも虫の良い話、そんなものはまやかしだとどこかで思ってはいても、やはりサプリメントというのはなんだかありがたい気がする、頼りたい気分になってしまう。ああこれは現代人の性だなあ、とまた過ちを普遍化してしまう自分にうんざりしてしまうけれど疲れているためかそれもすぐにどうでもよくなってしまったりして。
 ところで「虫のいい話」というのは、どうして虫という字が使われているのだろう。文字だけを読むと、昆虫に関するいい話、あるいは虫さんの良かったエピソード、という風に読める。しかしもちろんこれはそんな意味ではない、どう解釈したらいいのか。
 すこし調べてみると、古来、われわれの体内にはたくさんの虫たちが宿っているらしい。その虫たちがいい感じになる、そして身体からいい感じのヴァイブスを発する、というのが「虫のいい」という意味らしい。なるほど、わたしの身体にはたくさんの虫が宿っているのであるな。そして身体のなかにいる虫たちをわずかな時間で効率的に喜ばせるだなんてそんな虫のいい方法はないのだなあ。コツコツと、コツコツと体内の虫を喜ばせていかなくてはだめなんだよ。