せかいとことば

世界は言葉によってつくられているし世界は絶えず言葉を生み出しているし。雑多な文章をつらつらと。

「10回で一回無料」は10%OFFではない

ポイントカードが10個たまると、一杯無料になるラーメン屋へよく行く。ポイントが貯まったのでタダでラーメンが食べられて、わーいヤッピーと喜んでいたのだが、ふと思った。これは何%引きに相当するのだろうか。10回で1回無料になるのだから、10%引きなような気もするが、よく考えるとそんなことはない。
以下に計算をしてみる。(割引率は回数によって変動するが、ポイント還元を受けた時点での平均の割引率として考えることとする)

ラーメンを一杯700円とすると、10杯食べて7000円である。そして、11杯目はタダで食べられるので、7000円で11杯食べられることになる。つまり、一杯あたり
7000/11 ≒ 636円
となる。10%引きには少し足りない。

ラーメンを一杯 n 円としたら、同じようにして一杯あたり
10n/11 円
となり、つまり 1/11 ≒ 0.091 からおよそ9.1%引きに該当するということがわかる。

なぜこのようなことが起きるかというと、無料となるのはあくまで11杯目だからである。これが10杯目で無料となるのであれば、10%引きに該当することになる。
ちなみに、同じトリックで、某札幌市営地下鉄SAPICAは10%引きではない。あくまで「10%分のポイントが貯まる」ということでしかないのだ。

余談ではあるが、たまに良心的なお店で、ポイントカードが貯まって引き換えをする際にもポイントをつけてくれるお店がある。この場合に何%引きになるかも考察しておこう。
上と同じように、10杯で次回の1杯が無料となる、一杯 n 円のラーメン屋について考える。

11杯目までで使った金額は 10n 円、ここまでは同じであるが、次に21杯目までに使った金額は 19n 円となる。(11杯目は無料でかつ、ポイントがもらえるので、20杯目で20ポイントが貯まることになり、21杯目も無料となる)
同様にして、31杯目までに使った金額は 28n 円、41杯目までに使った金額は 37n 円である。

これを一般化して、10m+1 杯目までに使った金額は (9m+1)n 円となる。よって一杯あたり
(9m+1)n/(10m+1) 円
となり、m→∞ とすると 9n/10 となり、近似的に10%引きとなることがわかる。例えば m=10 つまり101杯食べた時点で一杯あたり 91n/101 ≒ 0.901n となり、ほとんど10%引きになっていると言える。

以上の例から結論めいたことを言うならば、ポイントによる還元よりも、その場ですぐに割引してもらえた方が消費者としてはありがたいということである。同じ店にそんなに何十回も行くとは限らないし。
でも、ポイントカードにはポイントカードなりの貯める喜びがあって、それはそれでいいものとも思ったり。