せかいとことば

世界は言葉によってつくられているし世界は絶えず言葉を生み出しているし。雑多な文章をつらつらと。

わたしは死なない

「わたしは死なない」って書こう、書き初め、大きく大きく書こう、今年一年の目標はそれ、達成できたら大きなパーティをしよう、来年の師走にさ、みんなを呼んで、みんなって誰、って話ではあるけれどとにかくみんなを呼んで、大きなパーティをする、いつぶりかなあ、大きなパーティなんてね、小学生のころに一度だけ誕生日パーティというものをしたことがあったのだけど、あれはいったい誰がやろうと言い出したのだろう、和室に大きなチョコレートケーキとファンタグレープを用意して、パーティをしたの、自分が祝われているということはすこし恥ずかしい感じもしたけれどそんなものはパーティの本質ではないのよね、何かと理由をつけてみんなで集まったらいいじゃない、その理由がわたしであってもね、そう、だから来年の師走には大きなパーティをするの、わたしの部屋で、たくさんの人を呼んで、すきな音楽をかけて、好きなお料理をつくって、パーティをするの、わたしの目標が見事に達成されたあかつきにパーティを、大きなパーティをするの、きっとうまくいく、パーティはきっとうまくいくわ、だからわたしはそのために書き初めをする、書き初めなんていつぶりだろう、中学生のころによく書かされていた、やたらと明るい標語、輝かしい未来、だの平和な世界、だの、みんなの税金がどうたらということも書かされた、しかしそんなものはもう関係ないのだ、そんなものからは自由なんだ、わたしは、わたしの書きたいことを書く、大きな大きな紙に大きな字で書く。わたしは死なない。